第一話  レモンティの香る夜…

父がレモンティが好きだった…。わたしは物心ついた頃から、室内にはレモンティの香りが黄色く輝いていた。 レモンティが幸福色に彩る室内に、ハイドンの弦楽四重奏曲「ひばり」が舞う…。若き父は何度もニスを縫った机に向かい、レモンティを啜っている…。 人…